梅雨も後半に入る7月の7日前後。
不思議と毎年、梅雨の中休みとなるこの頃。
入谷の朝顔市は開かれる。
新暦のお盆の頃ともなれば、
ざばざばと雨が降り、雷鳴轟く日々ともなるけど、
朝顔市の頃は、天気ははっきりしないものの
いつも「夏前」の、色鮮やかな風が吹く。

高い湿度と、強い日差しと、それをさえぎる雲と
七色に変わる風の中。


夏を待ちきれないかのように、
人々がつどってくる。






朝の顔とはよく言ったもので、
日本人にとっての、
特に下町の人々にとっての、朝顔は
ことさら特別な花のようだ。

働き者の日本人が、
夏の、朝まだ早い時間に
朝顔の涼しげな花の色を見て
今日もまた訪れる、暑い暑い一日に
おだやかに向かい合うような。







柔らかな本葉のみどり。
たおやかなつる。
強い生命力
そしてそのはかなさ。
どれをとっても日本人的かも










風鈴の音。朝顔の花。
水まきの匂い。
ニッポンの夏だね。














市とはいえど、僕らにとっては、夏祭り。
人ごみ、賑い、夜店や、宵闇をめざして、
みんな集まってくる。






最近の夜店は、昔のそれとは随分違い、
かなり本気で、味や楽しさを追求している店も多く、
十数人がかりで、トウモロコシの炭火焼を売る店など
かなり面白い店がある。

テキヤを通り越した「お祭り屋」さんが
専業として店を出していたりする。

いやいややってる店番風のおにいちゃんやおねえちゃんは少なく
みなさん真剣に商売に取り組んでいる。

だから、飛び交う会話も楽しい。

「おっと兄ちゃん、写真撮影はごめんだぜ!」
「だめですかー?」
「あったりめいだろ!ちゃんとポーズとるまで撮っちゃだめだぜ!」











広島風おこのみ焼きも
ハッカパイプも
焼き鳥も、鮎塩焼きも
韓国風チヂミも
ニッポンイチの焼きそば職人も
えらく元気に、
そして、数十年前のインパクトを失わず、
超現役で商売していた。

祭りはねえ。現役が大事。
過去の遺物は、祭りにはいらないのよ。







缶ビール3本。チヂミ、オコノミ、ヤキトリ、
ベビーカステラ、磯辺焼

ガキとかみさんと3人で、
夜店の裏で、しゃがんで食べた。

スピーカーからは強力に演歌が流れてる。

行き交う人を見上げ、
その足元を眺め、
夜店の白熱灯や、街路樹に巻かれた簾や、
きらびやかなオメンなんかを
ガキの目線で眺めていたら、

ずいぶん昔、子供の頃に行った
夜祭を思い出した。

鬼子母神の裏あたりから、
まだまだ、狐や狸も出てきそうな、
活気も奥行きもある、
みごとな祭りだ。





2002/7/7

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